Donald Fagen / The Nightfly
スティーリー・ダンの活動停止後、ドナルド・フェイゲンが1982年に発表した1stソロアルバムにして、名盤中の名盤。
ドナルド・フェイゲンとウォルター・ベッカーの2人が、1967年ニューヨークのバート・カレッジで出会うことでスティーリー・ダンの歴史が始まります。
1972年デビューアルバム「キャント・バイ・ア・スリル」を発表しますが、3rdアルバム「プリッツェル・ロジック」を発表する頃には早くもバンド存続の危機が。
スタジオ・ワークを重視するフェイゲン、ベッカーの2人がライヴには殆ど興味を示さなくなったことで、彼らのもとからメンバーが離れていったのでした。
しかし真の実力を発揮したのはこれからでした。
スティーリー・ダンは2人だけのプロジェクト的な存在となり、レコーディングに一流のスタジオ・ミュージシャンを多数起用するようになります。
1975年「うそつきケティ」、1976年「幻想の摩天楼」を発表。
1979年の「エイジャ」では曲ごとにスタジオ・ミュージシャンを使い分けるといった、贅の極みのようなアルバム作りを行うバンドになっていました。
そして1980年にはスティーリー・ダン・サウンドの究極の完成形ともいえる「ガウチョ」を発表。
しかし二人はこのアルバムを最後に活動を休止。
再び交流を始めた2人が再びスティーリー・ダンとして活動を再開するのに13年の日を要する事となります。
そしてスティーリー・ダンの活動停止後、ドナルド・フェイゲンが1982年に「ナイト・フライ」を発表。
なんだかスティーリー・ダンの呪縛から開放されたかのような自由な音です。
「ガウチョ」は完璧過ぎたのです。
完璧なあまり息苦しさも感じてしまう。
個人的には「エイジャ」の方が好きです。
昔はスティーリー・ダンとドナルド・フェイゲンって何がどう違うの?って思ってましたが、多分スティーリー・ダンとドナルド・フェイゲン名義での作品の違いはその緊張感の違いじゃないでしょうか。
計算された気の抜き方っていうか、ソロアルバムはとてもリラックスした感じがします。
もうすぐドナルド・フェイゲンの新譜が出ます。
多分いつもの感じでしょう。
そう思います。
そして私がリアルタイムで聴き始めたのもこの作品から。
すべての形容詞を用いても表すことの出来ないエバー・グリーンな音楽。
Donald Fagen / The Nightfly
I.G.Y.
Green Flower
Ruby Baby
Maxine
New Frontier
The Nightfly
The Goodbye Look
Walk Between Raindrops